石田製帽では多くの帽子を製作してきました。
様々な素材や形がありますが、リリースや販売を通してお客様の声をお聞きしながら試行錯誤を繰り返し、いくつものベストセラーが生み出されています。
こちらもそのうちの一つです。
制作をし出した当初から継続して、クラウン(頭部)の型や深さ、ブリム(つば)の長さや角度、リボンの仕様のマイナーチェンジを数回ののち、現在の仕様に至っています。
肩幅近くまであるつばの長さでありながら、広すぎると感じさせることのないブリムシェイプとトリミングのバランスが、ベストセラーの一因でもあるように感じます。
個人的にはつばを根元(リボン位置)から下へ向けるようにテンションをかけ、顔を覆うような気持ちで角度をつけてかぶります。
その際、つば先に入っているソフトワイヤーを軽く指先でなぞり、つば先のシルエットがゆるやかなS字カーブを描くような舟形へ整えると、サイドラインがきれいにすっきりと映ります。
そうすると、なんとなく鏡の中の我が姿が
あれ?
ちょっといいかも?
と思えてしまったりするので不思議です。
本当は帽子の力が大いに発揮されているのですけどね。
ラフィア素材は通気性にも優れ、丸められるやわらかさも備えています。
普段使いできる”ちょっといい帽子”の代表として、ぜひ日々のコーディネートに。
石田琴路